赤松の手入れをする目安
2年も手入れをせずに経過すると松ぼっくりが発生してきます。
松ぼっくりの数が多いということは、受精に力を注いだ分だけ子孫を残そうとする傾向が強いことになり、松の樹勢自体が弱ることになります。
なので、決して強くおすすめはしませんが、松ぼっくりの存在が手入れをするひとつの目安となります。
そして松ぼっくりが増えだした頃には枯れ葉がたまると同時に、枯れ枝が目立ってきている可能性が高いです。
そこは病害虫の格好の住処であり、この先も増殖することになるので、こうなった場合には手入れをしないと枯れ枝が増えていくだけです。
下のような「マツカレハ」という体長5cmもある気持ち悪い蛾の幼虫が松の葉を食べつくして枝を枯らし、最悪の場合は大量に発生し木までも枯らすと言われます。
↓【マツカレハ食事の動画】
赤松の手入れをしないとどうなる?
手入れをしないでいると、長く太い枝がたくさん伸びてくるので樹形が崩れるのが気になりますが、その勢いを止めたいがために枝を切ると実は樹勢が悪くなり松は弱るんです。
3年も経つと樹形の内部では枝が間延びしており、古い枯れ葉がたくさん積もってきます。
そうすると新芽に日が当たらないので成長できずに枯れ、たまった枯れ枝や枯葉を取ってみた時にスカスカ状態になっているんです。
この状態になると、もう元のようには戻らないと思ったほうが良いでしょうし、もしかしたらこのまま枯れることになります。
赤松の手入れの成果
マツカレハの幼虫が大量に発生しており(30匹以上駆除)、これ以上経過したらどうなったかわからなかったと感じるほど、良い時期に手入れを依頼され、衰退の難を逃れたのがこの松たちです。
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作業前1
作業後1
作業前2↓
作業後2
作業前3↓
作業後3
作業前4↓
作業後4
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作業前5↓
作業後5
作業前6↓
作業後6
作業前7↓
作業後7
作業後8
作業後9
赤松の手入れはどれくらいの頻度でしたらよいか?
代々伝わる松を絶対に残したいのであれば、樹形を崩さず現状を維持していき、しかも病害虫を発生させないために、できれば毎年の手入れをお勧めします。
温暖化の影響もあり、200m~1km以上も飛ぶ「マツノマダラカミキリ」が、体内に保持して運ぶ「マツノザイ線虫」という「松くい虫病の被害」が北上してきており、一関市内でも異常に発生しています。
特に山間部の近くにある松の老木は常に気にしていないと、あっという間に枯れてしまいます。
とはいえ、樹齢により幹が太くなり樹高が高くなると、自然と手入れを頼む際の金額が増えるので、その場合には、毎年とは言えないですが、2年に1度は手入れをしたほうが良いと思います。